別れのあとに


もう3ヶ月書いてなかったんや。


今の気持ち、きっといつか役に立つから、整理する意味も込めて書きます。




8/29
昨日フラれました。

本当に唐突に。好きな人ができたからと言われて。普通に一緒にご飯食べて寝てたし、9月に四国に行こうってレンタカー予約したところだった。


昔想いを寄せてた人だったんだって。その人には彼氏がいたから諦めてたんだって。

1年半が、あっけなく顚された。その程度のものだったのかな。私、初めて愛されたって気がしてたのになぁ。あの眼差しは、手は、体温は、偽物だったのかな。私は誰かの身代わりだったのかな。

今とか先が無くなったことよりも、過去が全て否定されているようで辛い。


本当に生活に溶け込んでしまっていたから、一気に暮らしの意味がわからなくなった。
昨日は、一睡もできなかった。別に、泣き暮れていたわけではない。ただ、無になったような感覚だった。なんとなしにチャットアプリを入れて、いろんな人と話す。そのうちに部屋が明るくなってきた。
悲しいとお腹が空かないなんて嘘だ。空っぽになれば、胃は要求してくる。でも、何も口に入れる気が起こらない。買いに行くのも咀嚼するのもめんどくさい。
料理は自分が楽しむためのものだったのにな。いつのまにか、おいしいと言ってもらうことが目的になってしまっていたらしい。

講義もあるし、タスクが重なっていた(タイミングが悪い)。のんびりと回復するのを待っているわけにはいかない。アプリで知りあった同じ大学の人に、一緒にご飯を食べてもらった。24時間ぶりに食べたご飯が苦しかった。



8/30

フラれる数時間前に、知り合いの編集者の方からお仕事をもらっていた。人手が足りないと。3000字だから、3日あれば十分なはずであったけど、500字ほどしか進んでいなかった。
「今日飲みに行ってくれる人いませんか?」部活の同回LINE。のろのろしていると余計な思考が入り込む。「行きたい」と返信して、それまでに原稿を仕上げた。

強くなった、と思う。
前の人と終わらせたとき、私はいくつものレポートをだめにした。思い悩んでいる2ヶ月も苦しくて、すさんだ生活に微熱をだし、何度も部活を休んでしまった。何よりブスだった。みんなに不幸な顔をしていると言われた。部活に専念しようと思ってしたショートヘアが似合わなかった。まぁ、そのためにやったのだけれど。


飲み会は、思いのほか人数が集まって楽しかった。実は私の知らないところで、勘違いによって別れたという噂が流れていたらしい。本当になってしまうとは。一生のネタにできそう。
みんなが笑い話にしてくれて、助かった。
いつもより感情の起伏が大きい。やたら笑い、泣きそうになった。来週、OB会なんだよなぁ。飲まされたら、きっと、号泣してしまいそうだ。本当に、タイミングが悪いんだから。

多分、悲しみはあるのだけれど、まだ表出できないんだろうな。きっと、その涙が流れたら、本当に次に進めるとき。



8/31

荷物を全て運び出した。
軽トラの中で、彼は普通に話しかけてきた。ためらいながら私は相槌を打った。

関係が安定し始めたころ、決めたことがある。別れたら友達に戻るということだ。
話を切り出されたとき、私はうまくしゃべれなかった。そもそも、友だちという関係はなかったから。先輩と後輩から恋人同士になった。恋人になって1ヶ月経って、始めてタメ語で話し、それに慣れるのには割とかかった。恥ずかしくて名前を呼ぶのを躊躇していたら、そのままおしまいになった。
友だちへの喋りと恋人への喋りは違う。喧嘩もしたことがないままこうなって、私は喋り方を失った。その夜、私はまた1つ人間関係を失ったのだと思った。それも悲しかった。

話しているうちに、言葉からぎこちなさは抜けていった。私からも話をふった。嬉しかった。こうやって話していると、何も無かったかのように錯覚してくる。もちろん甘さは取り除いているけど。告白とか別れ話とかなんてなければ、曖昧な関係にも臆することなくいられるのかな、なんて不毛なことを考えた。


美容院へ行った(お前別れるたんびに髪切るやんとか思わないでね?前回は、確かに別れると決めて、その翌日に予約しておいたけど、今回は何も知らずに予約してあったんだ)。彼はセミロングぐらいが好きらしかったけど、付き合ってる間、ついぞしなかったな。今度はきっと、私に似合う髪型にした。美容師さんもそう言ってくれたし。
うつむいても顔が隠れないし、首に髪がまとわりつくこともない。湿気った夜に、自転車をとばした。


家に着いて、ため息をつく。
眠れない夜に部屋を綺麗にしたところだったのに、またごちゃごちゃしてしまった。衣類40着ほど、下着のほとんど、教科書全て、カバンの半分、カメラ、調味料少し、メイク道具…ほとんど全て、彼の家に置いてあった。少しずつ、少しずつ増やしてったものが、こんなに大量だったとは。軽トラ1台分。収納のために買ってくれた衣装ケース2つをもらった。
それらの荷物が彼の家にあったときに、1回模様替えをした。そのせいで、ただ余白に荷物を戻すだけでなく、入れ替えなければならない。
化粧水やシャンプーは2つずつになってしまった。容器を1つにまとめる。ラッカーに収まっていたはずの靴が玄関に溢れる。知らないうちに、ものを増やしていたみたいだ。

片付けきれずに、メイクだけ落として寝た。



9/1

もう、秋か。


高校の同期後輩と嵐山へ行った。同期は神戸の男の子、後輩は京都の女の子。全員4回生。長野(市)から関西に来る人は少ないから、こんな風になる。2人とも、毒がないような人間で、恋愛話をするでも人生を語るでもなく、ちょっと懐かしんだり近況報告をして、ゆったり過ごした。2人ともありがとう。

雨が降ったりやんだりしていた。上手に写真が撮れない。ふと、初デートがここだったことを思い出した。あの日も雨だったから。
天気予報をろくに見ていなかった私は、傘を持っていなかった。傘に入れてもらった。彼が折りたたみ傘を持って行くところはほとんど見たことがない。あの日はもしかしたら、いつもより少し念入りに準備したのかもしれないな、と思った。自惚れかな。

おみくじをひいた。吉。

ひとつとて麗しきことのあるからは
またも吉事の來り榮ゑむ



泣きそうになった。なんでかわからないけど。


夜、同期が家にきてくれた。やっぱり、人に食べてもらうのがいい。大学を間違えた気がしなくもない。

「1ヶ月後に彼氏作ってたらひく?」「お前バリ前向きやん」
別に当てはないけど。彼が彼女とうまくいくなら、なんだかむかつくのだ。私は平気だよというふりをしたい。
それに、お互いに別の人と付き合ってるいるならば、向こうは警戒しないで話してくれるでしょ?
まぁ、でも、さすがにそんなつもりはない。来年どこに住んでいるかもわからないし、私自身はそんなにすぐに人を好きになれるタイプではないから。そもそも、私モテないから。
この辺りについては、ちょっと考えていることがあるけど、それはそのうち、次の恋人ができたときにでも書こう。


正直、ここに書けないこともいろいろある。
もし私が言葉を編む人になれたなら、きっとどこかで書こう、と思っている。

そのために、保存しておかなくちゃね。