つむじ風に巻き込まれて



ずっと1人で生きていくんだと思っていた。
それは、「1人で生きるべきだ」でもあり、「1人で生きたい」でもあり、「1人で生きるしかない」でもあった。

「こんな遺伝子を残したくない」
「絶対虐待しちゃう」
「そんな器じゃない」
「男の人に遅れはとりたくない」
「伴侶を作れるような環境じゃない」
「それなら無駄に心揺らす必要はない」
「私を好きになってくれる人なんているわけない」
「どうせ捨てられるんだ」

理由は変われど、その方向は変わらなかった。いつのまにか、私の中の一本通るものになっていた。

それは武器だった。道だった。私は強くいられた。
同時に、私はその存在に守られていた。レールにのっていれば何も考えずに済んだ。

そんな、反骨精神だったから、跳ね馬だったから、ただ、無理があって、崩れるべくして崩れたのかもしれない。

でも、少なくとも今までは誰にも崩されなかった。


家に行くことには慣れてきて、でもまだ敬語は抜け切らない、そんな頃、浮かんできたこと。
ただの、その時だけの感情なんじゃないかって、浅はかだって、浮かれてるんだって、自分でも嘲笑していた。
でも、さすがにそろそろそうじゃないんだなって思っている。確信している。




私、この人と結婚したい。